基礎体温を鍼灸師はこう見る

今回は妊活中なら誰しもが一度は行う基礎体温について鍼灸師の立場からわかりやすく解説できたらと思います。

妊活中にて基礎体温をつけることでストレスに感じる方も多々いらっしゃるかと思います。
基礎体温をつけることにより体の状態を把握しやすくなります。

基礎体温には大きく分けて①二相性(低温期、高温期) ②一層性 ③ギザギザ(低温期、高温期なく体温がバラバラ)

それぞれ説明していきたいと思いますが基本的な見方や体温の内容は恐らく皆様ご存じだと思いますので、
今回は二相性について!!

え!!二相性になっているから問題ないのでは??
と思いますよね・・・・・・
病院では何も言われないかもしれませんが二相性の中でもPOINTとするところを見ると隠れている
身体の状態がわかることがあります。

ここからはネットにあまり載っていないかもしれません。

上記の図も用いて解説していきます。

1、排卵期(卵胞期、低温期)
この時期は頭の下垂体という部分からFSH(卵胞刺激ホルモン)が卵巣に向けて卵子が育つように指令を出している時期です。

ここで問題になってくるのは低温期(生理開始日を1日目)とすると通常は14日程度で排卵します。ところが低温期が16日~20日くらいの方がいます。つまり卵子が育って排卵するまで通常よりも時間がかかって卵子が育っているということです。
病院ではおそらく気にするドクターはいません。でも鍼灸師としたら卵子の育ちが遅いということは・・・・・
FSHの分泌量が少ないか
FSHは出ているのだけど卵巣まで指令が届いていないか!と言うことが読み取れるのです。
どちらが原因なのだろうと考えることが出来ますし、より正確に確実にアプローチすることが出来ます。
例え) IVF(体外受精)AIH(人工授精)の際に病院で薬を頂いて卵子を育てるわけですが、どうも育ちが悪い、卵子の個数が取れないとなった時、基礎体温を見たときわかるのです。どこを治療するのかわかります。

鍼灸では頭部下垂体の血流、卵巣の血流状況を改善することは得意としています。
特にスーパーライザーと鍼灸の組み合わせは効果絶大です。

因みに東洋医学的に身体を診ますと、瘀血(血の流れが悪い)、血虚(血が少ない)、冷えがある方が大半です。

2、高温期移行時期
この時期は卵子が頭から指令を受けて排卵したあとに排卵で残った黄体が子宮に向けて内膜の状態を厚く、柔らかい血流の多い内膜にするためにP4というホルモンを出して指令します。その際に基礎体温が高温期になります。

ここでの問題は・・・・高温期がない(無排卵、黄体機能不全症)とありますがここでは二相性の話ですので、二相性にはなっているのだけど・・・・高温期になるまでの移行に数が3日以上かかるという場合です。

排卵日から高温期まで緩やかに体温が上昇していくパターンですね。つまりP4が子宮及び身体に反映されるのが時間がかかるということです。黄体の出来がよくなくP4の分泌量少ないのか、子宮及び骨盤内の血流循環が悪いかが考えられます。

この場合は受精卵が着床しても維持するのが難しい方や、着床しにくい方が多いように思われます。
また不妊治療にてHMG注射を長期使用している方は悪いです。
少し難しい話ですが実は注射されている方は下垂体のホルモン分泌も悪くなります。これはまた機会がありましたら別の記事で載せたいと思います。

治療としては子宮及び骨盤の血流の改善、卵巣の血流改善を目的とします。

3高温期

黄体ホルモン(P4)が子宮に作用して妊娠維持させる時期です。P4は高温期にしてくれます。

高温期に体温がガクッと下がる時が多々ある。高温期が14日続かない(排卵日から14日)。この場合もやはりP4の分泌量がよくない。子宮、骨盤周りの血流が悪いことが言えます。せっかく受精して着床しても妊娠維持が難しい状況の方です。

病院ではHMG注射で卵子を育てている方は高温期になりにくい為黄体ホルモン剤をテープなどで薬を出されます。
鍼灸治療では頭部の血流の改善と子宮、骨盤内の血流改善、黄体への刺激をすることでこれらを改善していきます。

4高温期の終わり

妊娠維持が難しいまたは着床していない場合P4が下がり高温期から低温に移行します。それとともに生理が開始されます。ところが中々高温期が終わらない方は黄体ホルモンがいつまでもでています。この状況は黄体に妊娠してないよと伝えることが出来なく黄体が頑張り続けている状態です。頭から次の指令が黄体に届いていないことになります。また子宮から卵巣に、頭に指令が届いていません。このケースは少ないですが、これもしっかりした問題です。

それぞれの時期にちょっとした違いに鍼灸師は敏感になりなぜその状況になっているのか原因を突き止めることにより治療目的を明確にしていきます。

当院では特にこういった細かい体のサインを見逃さずしっかりアプローチしていきます。
体質を改善することももちろん大事ではありますが、頭部(視床下部)-卵巣ー子宮の状態を正確に把握し病院ではアプローチできないところをサポートしていくことがよりよい効果を生み出すと信じています。

不妊治療は先が不透明なことがお客様にとって一番ストレスに感じるのではないでしょうか?
基礎体温はあなたの身体から出しているあなたの身体の状態のサインです。
サインをしっかり自分自身で受け取り自分の身体を理解してあげることは一番の近道ではないのでしょうか?
また不透明な妊活期間でも自分が頑張ってきた身体のケアや治療はすぐに基礎体温で表れます。
ちょっとでもよくなっていくすべをモチベーションに変えて頂ければと思い今回このような記事の内容にいたしました。

すべての妊活している方々に少しでも力になれればと思います。

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